日常生活での痛み(腰痛)
首痛・肩痛・腰痛・膝痛などは、日常生活で負担がかかりやすいため、痛みが出やすい場所となっています。
日本成人では、ほとんどの方が痛みを経験していると言われています。
腰痛の原因
腰痛は、日本人が訴える痛みの中で最も多い症状です。
腰痛というと、年齢を重ねるにつれて起こりやすいもののようなイメージがあると思います。
しかし、小学生や中学生でも腰の痛みを訴えるケースが多くなってきています。
なぜ、腰痛を引き起こすのでしょうか?
腰痛を引き起こし、レントゲンやMRIなどで画像検査をしても、
その原因をはっきり特定できるのは、わずか15%しかいないと言われています。
残りの85%の人は、腰痛が起こっている原因がはっきり特定できません。
レントゲンには主に骨しか写らないため、
筋肉や軟骨、神経などの組織は見えにくいために、判断が難しいのだと思います。
MRIは筋肉や軟骨なども映し出しますが、痛みのある部位の特定は難しいのだと思います。
こういった理由で、腰痛の原因の特定は難しいと言われています。
痛みのメカニズム
そもそも“痛み”とは、筋肉や筋膜、靭帯、関節などの神経が分布しているところに炎症が起こることで生じます。
人間の背骨は頚椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨が重なって構成されています。
1つの骨を椎骨といい、その椎骨と椎骨の間には椎間板という、
背骨にかかる負担を緩衝させるクッション材の役目を果たす軟骨があります。
人間の背骨は、横から見ると、ゆるいS字カーブを描いています。
このS字カーブと椎間板で身体の負担を軽減しています。
しかし、日常生活での姿勢などでそのS字カーブが崩れると、身体の負担を軽減できないために
腰痛を引き起こしてしまう原因になります。
特異的腰痛
この図を見てわかる通り、腰痛のうち、約15%は原因を特定できます。これを「特異的腰痛」といいます。
代表例が、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などになります。
腰椎椎間板ヘルニア
背骨と背骨の間をつなぐ椎間板という軟骨は中がゼリー状になっています。
これが、何らかの原因で外に飛び出すと、神経を圧迫し足腰にしびれや痛みを起こします。
椎間板は、加齢などにより変性し断裂して起こる場合もあります。
悪い姿勢での動作や作業、喫煙などでヘルニアが起こりやすくなることが知られています。
脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症は、神経の通り道である脊柱管が狭くなることで神経が圧迫されて起こります。
神経を圧迫するので、しびれや痛みなどの症状が出ます。
間欠性跛行(かんけつせいはこう)と言って、長い距離を続けて歩くことができません。
歩行と休憩を繰り返さないといけません。
非特異的腰痛
画像検査で原因が特定できない、残りの85%の腰痛を「非特異的腰痛」と呼びます。
非特異的腰痛の原因はさまざまで、いろんな要因が複合して起こっていると考えられます。
- 不良姿勢(猫背、骨盤の歪みなど)
- 繰り返しの負担
- ストレス(精神的、肉体的)
不良姿勢(猫背、骨盤の歪みなど)
腰痛の原因で一番多くみられるのが不良姿勢(猫背、骨盤の歪みなど)の姿勢の悪さです。
長時間座っている時や立ちっぱなしなど、姿勢が崩れやすく身体に負担がかかってしまいます。
繰り返しの負担
荷物を抱える際や屈む動作、立っ、座る、歩く、走る、捻るなどの繰り返す動作が蓄積し腰痛を引き起こします。
身体は癖があるため同じ動きを繰り返し行ってしまいます。
ストレス(精神的、肉体的)
ストレスも腰痛の大きな原因と考えられています。
仕事でのストレスや家庭内のトラブルなど、何らかの要因で精神的なストレスがかかると、
自律神経が乱れ、交感神経の働きが高まり、身体が緊張状態になります。肩こりも同じメカニズムです。
最近では、寒暖差が激しくなると身体が変に緊張したり、パソコンやスマホによる光が身体の負担となり緊張状態になるのです。
骨盤の歪みを引き起こす習慣
あなたは何個当てはまるでしょうか?チェックしてみましょう。
「歪み度」「改善に向けた方法」を紹介します。
□椅子に座っているとき、よく足を組んでいる
□靴の底は極端に内側・外側がどちらか擦り減る
□ズボンがずれたり、スカートが回りやすい
□腰痛持ちである
□肩こりがひどい
□猫背で姿勢が悪い
□運動不足である
□冷え性である
□循環が悪い気がする
あなたはいくつチェックがつきましたか?
・チェックが1~2個
特に問題なし
今のところ、骨盤矯正をする必要はありません。
・チェックが3~5個
すでに歪みが始まっています。
これ以上症状が進行する前に骨盤矯正・骨盤調整を行いましょう。
生活習慣を見直し、運動やストレッチなどを取り入れましょう。
・チェックが6~9個
歪みが進行し、症状が強く出やすい身体になっています。
早めに骨盤矯正・骨盤調整を行いましょう。
身体に負担がかかりやすく、疲れやすい身体になっています。
骨盤や背骨、股関節を本来の位置に戻すことで、
負担がかかって無理をしていた筋肉や血管、神経が解放され、
身体の動きがスムーズになるのと同時に痛みや痺れが軽減します。
本来人間が持っている自然治癒力をきちんと引き出して、
自分自身の力で痛みやしびれなどの不調に打ち勝てるようにしましょう。
腰痛を防ぐ正しい立ち方・座り方
ポイント①顎を引きましょう。
ポイント②背筋を伸ばしましょう。
ポイント③お腹に力を入れましょう。
ポイント④膝を曲げず、伸ばしましょう。
ポイント⑤足は肩幅より少し狭く開き、足の角度を約60度に。
ポイント①顎を引き、背筋を伸ばしましょう。
ポイント②骨盤を立てましょう。
ポイント③膝と股関節が平行に。膝を約90度に。
ポイント④足裏全体をつく。
正しい姿勢とは言うものの、それをキープしようとするけど、10分もしないうちに崩れる方がほとんどです。
正しい姿勢の意識はとても大事ですが、意識しすぎるあまり、
反り腰になったり、胸が前に出たり、肩が上がったりしていることが多くあります。
まずは、正しい姿勢を頭に覚えさせるため、
壁を使い、頭・肩・お尻・踵が付くように意識しましょう!
骨盤の歪みを整えるストレッチ
腰の周りにはたくさんの筋肉があります。
筋肉をストレッチして、歪みを整え、腰の負担を軽減させましょう。
無理をせず、痛気持ち良い程度の強さで行いましょう。
目標:30秒×2セット(1日3回)
お尻のストレッチ
太もも前のストレッチ
太もも後のストレッチ
股関節のストレッチ
背中のストレッチ
まとめ
腰痛は日本人の多くが一度は発症したことがある負傷・痛みと言われています。
普段の姿勢から改善していき、自分に合った腰痛ケアを行いましょう。