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2021.09.12

スポーツ栄養の基本‐コンディショニングを整えよう

スポーツを行うための基本は、運動・栄養・睡眠のバランスが大切です。

コンディショニングの三要素と呼ばれ、成長期の身体作りはもちろん、健康維持の増進、アスリートのコンディショニングに関わる大事な土台となります。

水分補給

人の身体の約60%は水分でできている

特にアスリートや運動愛好者は、水分を含む筋肉が多いため、体全体の水分が含める割合も一般の方に比べて多くなります。

日頃からスポーツしている人は水分補給が特に大事なのです。

水分の役割

人の身体の約60%を占める水分にはどういう働きがあるのでしょうか。

水分が通常に働くためには、

  • 水分量が十分であること
  • 水分とイオンの割合が一定であること

※カラダの中での水分の働き

  • 代謝を助ける
  • 酵素、栄養物の運搬
  • 不要な成分の排泄
  • 体温調節
  • 体液の調節

どうして汗をかくのか

身体に大事な水分なのに、どうして外に出てしまうのか。

人の体温は約37℃になるように調節されています。

この体温調節するためのひとつが、汗による蒸発での熱放散です。

水分が失われると

人の身体にとって必要不可欠な水分が失われると、どの様な影響があるのでしょうか。

脱水による症状

スポーツ中の発汗量は、1時間に約2リットルにも及ぶことがあります。

運動能力が著しく低下するのは、脱水が体重の2%以上になると起こるといわれています。

運動パフォーマンスの低下

水分補給が不十分なために起こる運動パフォーマンスの低下は大きな問題となります。

汗をかいて脱水が進むとパフォーマンスは低下し、

しっかり水分補給をしているとパフォーマンスを維持することができます。

水分補給とパフォーマンスの関係性は高いのです。

スポーツ活動中にどれくらい水分を失うのか

競技別の発汗量

競技や季節、運動量、気温、天気、体調など個人差はありますが、思っているよりも発汗しています。

水分補給方法

適切な水分の補給量

体重減少が体重の2%以内におさまるのが目安。

体重の2%以下でのどの渇きを感じるので、のどに渇きを感じる前がベストといえます。

運動の前後で体重を測るようにしましょう。

そして、すぐに飲水できる環境を作りましょう。

おすすめの飲水

  • こまめに回数を分けて(1回200-250ml)
  • 5-15℃の少し冷たい物
  • ナトリウム濃度(40‐80㎎/100ml) ※塩分濃度0.1-0.2%
  • 糖質濃度(4-8%程度) ※ブドウ糖や果糖の入ったもの ※1時間以上運動する場合

水だけで補給すると

汗で失った水分と電解質(イオン)の補給は水だけではできません。

水だけだと、水分とイオンのバランスが崩れて、体液はどんどん薄くなります。

そうなると、濃度を戻そうとして尿として水を出すため、水分不足になってしまいます。

※自発性脱水

アスリートに欠かせない栄養バランス

運動に必要な栄養バランスとは何でしょうか。

5つの栄養素が必要になります。

  • 糖質
  • 脂質
  • たんぱく質
  • ビタミン
  • ミネラル

これらが身体を作る素となり、動かすエネルギーになり、調子を整える役割があります。

栄養素はそれぞれ助け合い、様々な働きをしているため、ひとつでも不足すると正常に働かなくなります。

スポーツ栄養の基礎として最も重要なのはバランスを整えることです。

バランスのとれたメニュー

一汁三菜(ご飯・汁物・おかず3種)牛乳・乳製品果物

競技力向上・身体作りに必要な栄養素

スポーツ栄養は、水分補給栄養バランスが大切です。

その基礎をしっかり作り、次に競技力向上や身体作りのための栄養補給へステップアップすることができます。

エネルギーになる栄養素

脂質は効率の良いエネルギー源

身体活動に使われるエネルギー源は主に脂質と糖質です。

脂質は体に豊富に蓄積されている効率の良いエネルギー源です。(1gあたり9kcal)

しかし、過剰に摂取すると体脂肪として蓄積されてしますので注意しましょう。

※脂質は細胞の機能を十分に発揮させるのに欠かせない栄養素です。

糖質は素早くエネルギーとなる

糖質はエネルギー源として最も多く利用される。(1gあたり4kcal)

摂取してから最も早くエネルギーに代わる即効性がある栄養素です。

脳や体を動かす力になります。

※糖質が分解されるときにエネルギーが生まれます。

糖質はどのくらい食べればいいの?

糖質は、穀類(ご飯、パン、うどんなど)やイモ類、果物類、砂糖類に多く含まれます。

アスリートは、体重(kg)×7g以上/1日の糖質を摂取することが推奨されています。

※体重70kgの場合、70×7=490g以上

スポーツをしている中高生では、ご飯約8.5杯分/1日の糖質摂取が必要になります。

※ご飯のみで換算。おかず(穀物やイモ類など)や果物、砂糖類などは考慮。

糖質は体の中にどれくらい貯蔵されるの?

糖質は脂質と異なり、体内に少量(約400g)しか蓄積することができません。

そのため、運動前、運動中、運動後に摂取して補充をすることが必要なのです。

運動時はスポーツ飲料で糖質摂取

ガイドラインによると、

疲労を防ぐために、1時間あたり30~60g の糖質摂取が望ましい。

とされています。

運動中にスポーツ飲料(イオン飲料)を摂取することにより、補充しましょう。

例えば、

糖質6%のドリンク:500mlで30g、1000mlで60g

の糖質を補充することができます。

スポーツ飲料によって、水分だけではなく糖質を手軽に、そして効果的に摂取することができるのです。

カラダを構成するタンパク質

人間の身体は水分と脂質を除くと、ほとんどがタンパク質でできています。

筋肉や骨、臓器、皮膚、爪などの主成分もタンパク質です。

筋肉は水分を除くと約80%がタンパク質からできています。

筋肉を必要とするスポーツ選手にとっては、特に欠かせない栄養素になります。

タンパク質はどう利用されるか?

摂取したタンパク質は、体内でアミノ酸に分解されて吸収されます。

  • 筋肉や内臓を構成する体タンパク質となるもの
  • ホルモンや抗体となるもの
  • 脂肪として蓄積されるもの
  • エネルギーとして使われるもの

など様々に利用されます。

プロテインとはタンパク質のこと

プロテイン(protein)とは、タンパク質を英語にしたものです。

タンパク質は身体を構成する成分です。

一般的には、タンパク質を主成分とするプロテインサプリメントのことを指す場合が多いです。

プロテインといっても様々なものがあります。

ホエイプロテインは、BCAA(分岐鎖アミノ酸)が豊富で、消化吸収が早く利用効率が優れています。

※必須アミノ酸「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」を総称してBCAA(分岐鎖アミノ酸)といいます。

BCAAは、筋肉でエネルギーとなる必須アミノ酸です。

タンパク質の1日の必要量

身体を構成する成分ならたくさん摂取すればどんどん成長するの?と思うかもしれません。

違います。

上限に達すると、エネルギーとして使われる量が増えたり、体脂肪の増加に繋がります。

また、肝臓や腎臓などの臓器にも負担をかけてしまいます。

では、1日にどのくらい摂取したらいいの?

タンパク質の1日の必要量=体重(kg)×約1~2g

と言われています。

一度に摂取するのではなく、1日3食で分けて摂取することが大切です。

タンパク質は糖質との同時摂取がオススメ

タンパク質は、糖質と同時に摂取するとアミノ酸合成が促進されるため、おすすめです。

糖質を摂取すると血糖値が上昇するためにインスリンが分泌されるためです。

さらに、糖質がエネルギーとして優先的に利用され、アミノ酸の利用を抑制することができます。

運動後には、糖質とタンパク質を同時に摂取できるゼリー飲料などを上手に活用することをオススメします。

タンパク質の摂取タイミング

タンパク質はいつ摂取するのがいいの?タンパク質は摂取タイミングが重要です。

理想的な摂取タイミングは、運動直後です。

運動直後は体タンパク質の分解が高まりますが、

それ以上に合成が活発となり筋肉へのアミノ酸の取り込みが多くなります。

BCAA(アミノ酸)の機能・効果

体を構成するタンパク質は20種類のアミノ酸からできている

必須アミノ酸:体内合成できないため、摂取する必要がある。

非必須アミノ酸:体内で合成できる。

身体作りには全てのアミノ酸が必要となります。

必須アミノ酸は体内で合成することができないため、食べ物から摂取する必要があります。

運動前にBCAA(アミノ酸)を摂取し、エネルギー源として利用することで、運動時のパフォーマンスを維持してくれます。

  • 筋肉を構成する必須アミノ酸のうち30~40%を占める
  • 筋肉のタンパク質分解を抑制する
  • 運動時に効率良くエネルギーとして利用される
BCAAは運動時、特に必要な必須アミノ酸です

ビタミン・ミネラルの重要性

ビタミン

  • 体の働きを調整する栄養素。
  • 体内ではほとんど合成できないため食事から摂取。
  • 欠乏症になりやすい。

ミネラル

  • 体の構成材料。体の働きを円滑にする。
  • 体内では作られないため、食事から摂取する必要がある。

ビタミンやミネラルはエネルギーにはなりませんが、

栄養素の働きを助けるため、健康維持・体調管理には欠かせません。

スポーツ選手は特に、エネルギーを円滑に供給させるためにより意識して摂取する必要があります。